原料になる植物
和紙の原料になる植物は主に3つあり、それによって仕上がりの紙質が違ってきます。
保木工房では、主に楮(こうぞ)を使っています。
楮(こうぞ)
クワ科の落葉低木。春に淡黄緑色の花が穂状に咲く。 よく育ち、栽培しやすい。 繊維が長く絡み合う性質が強い ので強靱な紙に仕上がる。 |
三椏(みつまた)
ジンチョウゲ科の落葉低木で、早春に黄色い花が咲く。 繊維が短い。 |
雁皮(がんぴ)
ジンチョウゲ科の落葉低木。栽培がむずかしい。 繊維が短く光沢がある。 岐阜の「水うちわ」に使用 する紙の原料になっている。 (家田紙工株式会社 謹製) |
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楮の葉のカタチは 特徴的→ |
その名の通り、 枝が3つに 分かれている→ |
透明感が美しい 水うちわ→ |
原料処理から紙漉きまで
紙ができるまでの作業工程は果てしなく長く、農業的です。
紙の原料である植物の繊維の質を落とさないよう、丁寧な原料処理を経て紙漉きに至ります。
原料栽培の取り組み
保木工房は、紙漉き仲間の加納武さんと共に、和紙の原料である楮(こうぞ)の栽培を試みました。(2000〜2010年まで)
楮の刈り取りは毎年冬に行います。そして、春になると残しておいた株から新芽が出て夏にぐんと成長します。
秋には落葉し、また冬に刈り取る…という循環型の栽培をしています。
楮(こうぞ)の収穫量はその年によって違いますが、夏のあいだに丹念に畑の手入れをすることが収穫量に大いに
関わってきます。栽培の取り組みは実験的に行っており、収穫量がわずかなため、主力の原料にするためにはまだまだ
乗り越えなければいけない課題がたくさんあります。